赤外線用の新しい材料

新しい赤外線用材料  


 

赤外線が使用されているカメラの波長帯は、近赤外線(0.7μm〜1.2μm)と、中赤外線(3.0μm〜5.0μm)、遠赤外線(λ8.0μm〜10μm)の3つがあります。

特に使用できる材料が、各波長ごとに限定されています。

λ2.0μm〜10.0μmは、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ZnSe(ZnSe;ZINC SELENIDE ジンクセレナイド)、ZnS(ZnS;ZINC Sulphide ジンクサルファイド)があります。

可視光も透過する材料もあります。

フッ化リチウム(LiF2) λ0.12〜8.0μm

フッ化バリウム(BaF2)λ0.12〜12.0μm

フッ化カルシウム(CaF2)λ0.13〜8.0μm

 

今回御紹介する材料は、住田光学ガラス(株)様より発表されました材料です。

K-GIR79(透過帯 λ0.4μm〜5.0μm t1mmにて80%以上)

K-GIR140(透過帯 λ0.4μm〜5.0μm t1mmにて80%以上)

K-FIR98UV(透過帯 λ0.24μm〜5.2μm t10mmにて80%以上)

まだ、K-GIR140、K-GIR79のみの資料です。  こちらから

 

じつは、これ以外にも、新しい材料が採用されたカタログレンズもエドモンド様から販売されています。

自分だけが知らなかったのか?と思うほど驚きました。

非球面レンズで販売されているからです。

使用されている材料は、Black Diamond(BD-2)という材料です。

カルコゲナイドガラス(ゲルマニウム;Ge+アンチモン;Se+セレン;Se他の組合せ)で、非球面モールドが可能な材料とのことです。等価材料は、アモルファス材料のAMTIR-3、SCHOTT/VitronのIG5。  

熱特性が非常によいとのコメントが記載されています。

BD-2(透過帯 λ1.0μm〜14μm t5mmにて60%以上)

さらに、非球面レンズ(コリメータレンズが5種類あります)

LightPath社のBD-2に関するカタログはこちらから⇒

BD2_A.JPG

エドモンド社から販売されている非球面レンズはこちらから⇒

 BD2_ED.JPG

なお、BD-2の場合はLightPath社様へ直接ご連絡ください。

新しい材料で、検討してみたい場合は是非、船橋光学へご連絡ください。 

  

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赤外線の用途の昔と今

 赤外線レンズの昔と今の使い方

最近では、サーズ対策とか、熱中症対策の番組でよく、赤外線カメラを使って画像が出てきていました。殆どの赤外線カメラ会社は、利益が出にくいため、撤退、他の会社への譲渡で、淘汰されています。この波長帯の用途は、監視カメラ、半導体用のウエハー(シリコン)の検査、太陽電池の検査、セキュリティー用、人体の検査等に利用されています。


 

この波長帯(3-5ミクロン帯、8-15ミクロン帯)で使用されるレンズには、ZnSe(ジンクセレン)、Si(シリコン)、Ge(ゲルマニウム)等があります。

IR_LENS_SAMP.jpg

 

この材料は、夢のような材料で、収差補正が非常に良く補正することができましたが、屈折率がN=3-4と大きいのです。但し、反射コーティングをしないと、とんでもない表面反射が発生するので、かならず、ARコーティングをしないといけません。

 また、これらの材料は、有害物質に該当するため、研磨工場では、特殊な研磨施設を有していないと研磨することができません。だから、高価なのです。研磨+反射コート+加工の費用は普通のガラスより高いです。

 

 

以外と知られていないのは、蛍石、サファイア等の結晶材でも赤外線帯の波長域を透過しているのです。

非常にこの手の結晶材は、高くプラスチック材料よりも高級です。
監視カメラ用に使用されている波長帯は、各カメラメーカーに記載されているように、ナイトカメラで、λ0.9μ-1.1μmを使用されているようです。


 

最近話題の、太陽光発電用電池の評価にもこの波長帯を利用しているようです。

また、3バンド波長帯で効率良く電池に光を当てる集光レンズも開発されています。

もし、これらの波長帯まで含めて集光レンズを開発することができれば、もっと効率を高めることができるようです。

今でも、監視、セキュリティー用として、この波長帯が選ばれていますが、もっと新しい用途(エネルギー関連)にこの波長帯が選ばれてきているのは、今まで利用してきていなかった波長帯をもっと使ってみようという挑戦が感じられます。

 是非、皆様の挑戦にご協力させてください。

フナコウでは、赤外線用の光学系、レンズの設計を承ります。

お問い合わせはメールにて。

 IRLENS1.JPG IRLENS2A.JPG

 

 

 

カタログレンズによる赤外線レンズ

カタログレンズで赤外線レンズを構成できるのですか?

普段、何気なく見ているレンズカタログがあります。ここには貴重な情報が沢山記載されています。

例えば、弊社でも使用しているZEMAX(シミュレータソフト)のカタログレンズの中に赤外線レンズのパーツが登録されています。

最近登録されたと思いますが、DIAS社製infrared用レンズです。今回のこのレンズを組み合わせて設計してみましょう。

 

赤外線用レンズ仕様

みなさんが下記の仕様のレンズ設計の依頼をされました。

焦点距離     56mm
口径比    F2.3
視野 5.5度(半角:光軸と最外周視野がなす角度)
波長範囲 λ3μm、4μm、5μm(主波長:4μm)
全長 100mm以下

 

◆How to design ◆  Step 1

赤外線用レンズの配置例をまず、調べてみましょう。調べるには下記の参考書が参考になるかと思いますが、弊社ではZEBASEのデーターを検索し、仕様に近いデータをZEMAXに持ってきます。

 

参考書

 1)Modern Lens Design Warren J.Smith 著 McGraw−Hill出版 1992年7月

 2)Modern Lens Design  Warren J.Smith 著 McGraw−Hill出版 2004年9月

 3)Lens Design        Milton   Laikin     著 Marcel Dekker出版 2001年3月

 4)ZEBASE V5.0      ZEMAX Co,Ltd

 

 これらの参考書の中から、自分で気になるレンズを持ってきます。例えば、ZEBASEの中のT022ファイルがそれに該当します。

 IR_T022.JPG

◆How to design ◆  Step 2

T022ファイルのレンズデーターは以下の通りです。

 

焦点距離をスケーリングし、100mmから56mmに変更します。

IR_T022_f56.bmp

G1,G2,G3は全て赤外線用材料で構成されています。 

各レンズの焦点距離に近いカタログレンズを配置するために、先程のDIAS社製infrared用レンズカタログには67種類あり、これに近いレンズを探して見ます。

各レンズ群毎にレンズデーターを入力し、収差のバランスをみながら一番大きく収差が変動するレンズ群を確認します。その後、大きく収差が変動するレンズ群は、曲率半径、肉厚、及び空気間隔をフリーにして、最適化を行います。

最適化後の結果は下記のようになりました。

 ZEBASEカタログレンズ(焦点距離f56mm)          最適化カタログレンズ構成(焦点距離f56mm)

IR_T022_f56_SA.BMP    IR_CAT_f56_SA.BMP

但し、元々のレンズでの材料構成では、シリコン、ゲルマニウム、シリコンの構成が、今回の構成は、シリコン、シリコン、ゲルマニウムという構成になりました。カタログレンズでの構成の場合、うまく、収差が補正できない場合は、新規にレンズを製造しないことを想定し、何とか準備できるレンズだけでまとめてみるという大胆な発想で設計されています。

レンズ形状は、こんな感じになります。

IR_CAT_LAYOUT.JPG

元々、新規にレンズを製造するには時間がかかってしまう。実験に間に合わない!!予算が足りない!!!という非常手段(ベンチャ企業様では当たり前かな?)という方法です。

今回使用したカタログレンズ赤外線用レンズの型番は、

G1;型番Part048 f58.12mm /G2 Part030 f-115mm /G3 Part043 f74.23mm の3種類です。

是非、みなさんもトライしてみてください。(最適化のところは、秘密です。)

 

 

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