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赤外線・近赤外線レンズ設計

850nm・940nmなどの近赤外線領域に対応した光学設計

850nm・940nmを使った撮像・検査では、可視光用レンズをそのまま使用すると、焦点位置や画像の解像性能が要求に合わない場合があります。

特に850nm・940nmなどの近赤外線領域では、使用する光学材料の透過特性、波長による焦点位置の変化、迷光・反射、コーティング、センサー感度などを考慮して光学系を検討する必要があります。

一般的な可視光用レンズやカタログレンズでは、近赤外線領域で必要な結像性能や透過特性が得られない場合があります。

船橋光学設計事務所では、使用波長、センサー、作動距離、視野、必要解像度などの要求条件を確認し、赤外線・近赤外線領域に対応したレンズ構成の検討、材料選定、Zemaxによる光学シミュレーション、試作前の成立性確認を行います。

試作前に、既存レンズを使えるか、現在の構成で進められるか確認したい方

:試作前・次工程判断診断
試作後に、ピントや解像性能が目標に届かず原因を調べたい方

:光学トラブル診断

 

このようなお悩みに対応します

  • 赤外線・近赤外線を使った検査用レンズを設計したい
  • 850nm、940nmなどの波長に適したレンズ構成を検討したい
  • NIRカメラ、検査カメラ、マシンビジョン用の光学系を検討している
  • 可視光では問題ないが、近赤外線ではピントや解像性能が合わない
  • 可視光と近赤外線の焦点位置の違いを確認したい
  • 近赤外線での透過率、収差、迷光をシミュレーションで確認したい
  • カタログレンズで対応できるか、専用設計が必要か判断したい
  • 試作前に、光学系として成立するか確認したい
  • 既存レンズの近赤外線対応可否を確認したい
  • 社内に赤外線光学系に詳しい担当者がいないため、専門的に相談したい

赤外線・近赤外線レンズ設計で重要なポイント

1. 使用波長に合わせた設計

赤外線・近赤外線では、使用する波長によってレンズ性能が変わります。

850nm、940nmなどの波長では、可視光とは焦点位置や収差の出方が異なる場合があります。
そのため、まず使用波長、光源条件、対象物、センサー条件を整理することが重要です。

2. 材料透過率の確認

近赤外線領域では、材料によって透過率が異なります。

可視光では問題なく使える材料でも、近赤外線では透過率や反射特性を確認する必要があります。
使用波長に適した光学材料を選定することで、必要な光量と検出性能を確保しやすくなります。


3. 焦点位置の確認

可視光と近赤外線では、屈折率の違いにより焦点位置がずれることがあります。

可視光でピントが合っていても、近赤外線ではピント位置が変わり、画像がぼける場合があります。
そのため、使用波長での焦点位置、球面収差、色収差、像面湾曲などをシミュレーションで確認します。


4. 迷光・反射への対策

赤外線・近赤外線の光学系では、不要な反射や迷光が画像品質に影響する場合があります。

Zemaxによる解析結果をもとに、バッフル、レンズエッジ処理、鏡筒内面処理、ARコートなど、必要となる迷光・反射対策を光学設計の観点から検討します。

対応可能な用途例

赤外線・近赤外線レンズ設計は、以下のような用途で活用されます。

  • 近赤外線カメラ
  • 検査カメラ
  • マシンビジョン
  • センシング用途
  • 近赤外LEDを用いた検出光学系
  • 可視光+近赤外の両対応レンズ
  • 画像処理用レンズ
  • 暗視・監視用光学系
  • 対象物の反射差を利用した検査
  • 850nm、940nm光源を用いた撮像・検査

用途、波長、視野、作動距離、センサーサイズ、必要解像度などの要求条件に応じて、レンズ構成と光学性能を検討します。

 

サービス内容

1. 仕様整理・技術相談

使用波長、光源、対象物、センサー、作動距離、視野、必要解像度、サイズ制約などを確認し、設計条件を整理します。


2. 赤外線・近赤外線レンズ構成の検討

要求仕様に応じて、赤外線・近赤外線領域に適したレンズ構成を検討します。
既存レンズの流用可否や、専用設計の必要性についても確認します。


3. 光学シミュレーション

光線追跡解析により、焦点位置、スポット図、MTF、歪曲収差、相対照度、透過率、迷光などを評価します。


4. 材料・コーティング検討

使用波長に応じて、候補となる光学材料の透過特性や屈折率、ARコートなどの条件を確認し、光学設計上の適否を検討します。


5. 試作前の成立性・リスク確認

試作に進む前に、要求仕様に対して必要な光学性能が得られる見込みがあるかを確認し、設計上の課題やリスクを整理します。また、試作後に設計値と測定結果に差が生じた場合には、必要に応じて両者を比較し、光学系に起因する可能性や設計変更の必要性を検討します。

 

船橋光学設計事務所の特長

近赤外線領域を考慮した光学設計

可視光とは異なる焦点位置、材料の透過特性、迷光・反射、センサー感度などを考慮し、使用波長と要求仕様に応じた光学設計を行います。

 

Zemaxによる性能確認

試作前に光学シミュレーションを行い、焦点位置、MTF、収差、光量、迷光などを確認します。

設計段階で性能見込みや課題を把握し、試作へ進む前の判断材料を整理します。

 

要求仕様に応じたレンズ構成の検討

使用波長、センサー、作動距離、視野、必要解像度、サイズ制約などを確認し、要求仕様に応じたレンズ構成を検討します。

カタログレンズを利用できるか、専用設計が必要かについても、光学性能の観点から確認します。

 

試作前後の光学的な確認

 

試作前には、要求性能に対する成立性や設計上のリスクを確認します。

 

試作後に設計値と測定結果に差が生じた場合には、必要に応じて両者を比較し、光学系に起因する可能性や設計変更の必要性を検討します。

 

ご相談の流れ

1. お問い合わせ

まずは、お問い合わせフォームより、使用波長、用途、対象物、センサー条件、現在のお困りごとをお知らせください。

2. 仕様・課題の確認

必要な性能、使用環境、サイズ制約、開発段階などを確認し、検討範囲を整理します。

3. 光学設計・シミュレーション

赤外線・近赤外線領域に適したレンズ構成を検討し、光学性能をシミュレーションで確認します。

4. 結果のご報告

光学設計・シミュレーションの結果、性能見込み、設計上のリスク、必要に応じた改善方向を整理してご報告します。

5. 試作・評価での技術確認

必要に応じて、試作結果と光学設計値を比較し、性能差の原因や設計変更の必要性を光学面から検討します。


赤外線・近赤外線レンズ設計をご検討中の方へ

赤外線・近赤外線の光学設計では、単にレンズを選定するだけではなく、使用波長、材料透過率、焦点位置、迷光、コーティング、センサー感度を含めた検討が必要です。

「850nmや940nmに対応したレンズを検討したい」
「近赤外線でピントや解像性能が合わない」
「カタログレンズで対応できるか確認したい」
「試作前に成立性を確認したい」

このような課題がございましたら、船橋光学設計事務所へご相談ください。

使用波長、用途、センサー、作動距離、必要性能などを確認し、光学設計・解析として対応可能な検討範囲をご提案いたします。


お問い合わせ

赤外線・近赤外線レンズ設計、NIRカメラ、検査用光学系、850nm・940nm対応レンズのご相談は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

仕様がまだ固まっていない段階でも、使用波長、対象物、目的、現在のお困りごとをお知らせいただければ、検討の進め方をご提案いたします。

赤外線用材料を選定する際の注意点  


赤外線光学系では、使用する波長帯によって選択できる光学材料が大きく変わります。

材料を選定する際には、透過特性だけでなく、屈折率、分散、温度特性、加工性、コーティングの適用可否、入手性、コストなどを含めて検討する必要があります。

近赤外線領域では一般的な光学ガラスを使用できる場合がありますが、中赤外線・遠赤外線領域では、Si(シリコン)、Ge(ゲルマニウム)、ZnSe(ジンクセレン)、ZnS(ジンクサルファイド)、カルコゲナイドガラスなどが候補となります。

 

船橋光学設計事務所では、使用波長や要求性能に応じて材料候補を比較し、Zemaxによる光学設計・シミュレーションを通して、レンズ構成として成立するかを検討します。

 中赤外(3~5 µm)の設計例

以下のカタログレンズ構成例は、850 nm・940 nmの近赤外ではなく、3~5 µmの中赤外を対象としています。近赤外レンズの性能例とは波長帯が異なります。

カタログレンズで赤外線レンズを構成できるのですか?

普段、何気なく見ているレンズカタログがあります。ここには貴重な情報が沢山記載されています。

例えば、弊社でも使用しているZEMAX(シミュレータソフト)のカタログレンズの中に赤外線レンズのパーツが登録されています。

最近登録されたと思いますが、DIAS社製infrared用レンズです。今回のこのレンズを組み合わせて設計してみましょう。

 

赤外線用レンズ仕様

みなさんが下記の仕様のレンズ設計の依頼をされました。

焦点距離     56mm
口径比    F2.3
視野 5.5度(半角:光軸と最外周視野がなす角度)
波長範囲 λ3μm、4μm、5μm(主波長:4μm)
全長 100mm以下

◆How to design ◆  Step 1

赤外線用レンズの配置例をまず、調べてみましょう。調べるには下記の参考書が参考になるかと思いますが、弊社ではZEBASEのデーターを検索し、仕様に近いデータをZEMAXに持ってきます。

 

参考書

 1)Modern Lens Design Warren J.Smith 著 McGraw−Hill出版 1992年7月

 2)Modern Lens Design  Warren J.Smith 著 McGraw−Hill出版 2004年9月

 3)Lens Design        Milton   Laikin     著 Marcel Dekker出版 2001年3月

 4)ZEBASE V5.0      ZEMAX Co,Ltd

 

 これらの参考書の中から、自分で気になるレンズを持ってきます。例えば、ZEBASEの中のT022ファイルがそれに該当します。

IR_T022.JPG

◆How to design ◆  Step 2

T022ファイルのレンズデーターは以下の通りです。

 

焦点距離をスケーリングし、100mmから56mmに変更します。

IR_T022_f56.bmp

G1,G2,G3は全て赤外線用材料で構成されています。 

各レンズの焦点距離に近いカタログレンズを配置するために、先程のDIAS社製infrared用レンズカタログには67種類あり、これに近いレンズを探して見ます。

各レンズ群毎にレンズデーターを入力し、収差のバランスをみながら一番大きく収差が変動するレンズ群を確認します。その後、大きく収差が変動するレンズ群は、曲率半径、肉厚、及び空気間隔をフリーにして、最適化を行います。

最適化後の結果は下記のようになりました。

ZEBASEカタログレンズ(焦点距離f56mm) 
IR_T022_f56_SA.BMP
最適化カタログレンズ構成(焦点距離f56mm)
IR_CAT_f56_SA.BMP

但し、元々のレンズでの材料構成では、シリコン、ゲルマニウム、シリコンの構成が、今回の構成は、シリコン、シリコン、ゲルマニウムという構成になりました。カタログレンズでの構成の場合、うまく、収差が補正できない場合は、新規にレンズを製造しないことを想定し、何とか準備できるレンズだけでまとめてみるという大胆な発想で設計されています。

レンズ形状は、こんな感じになります。

IR_CAT_LAYOUT.JPG

元々、新規にレンズを製造するには時間がかかってしまう。実験に間に合わない!!予算が足りない!!!という非常手段(ベンチャ企業様では当たり前かな?)という方法です。

今回使用したカタログレンズ赤外線用レンズの型番は、

G1;型番Part048 f58.12mm /G2 Part030 f-115mm /G3 Part043 f74.23mm の3種類です。

是非、みなさんもトライしてみてください。(最適化のところは、秘密です。)

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代表の小野です。親切・丁寧な対応をモットーとしておりますのでお気軽にご相談ください。

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