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カタログレンズで赤外線レンズを構成できるのですか?
普段、何気なく見ているレンズカタログがあります。ここには貴重な情報が沢山記載されています。
例えば、弊社でも使用しているZEMAX(シミュレータソフト)のカタログレンズの中に赤外線レンズのパーツが登録されています。
最近登録されたと思いますが、DIAS社製infrared用レンズです。今回のこのレンズを組み合わせて設計してみましょう。
赤外線用レンズ仕様
みなさんが下記の仕様のレンズ設計の依頼をされました。
焦点距離 | 56mm |
口径比 | F2.3 |
視野 | 5.5度(半角:光軸と最外周視野がなす角度) |
波長範囲 | λ3μm、4μm、5μm(主波長:4μm) |
全長 | 100mm以下 |
◆How to design ◆ Step 1
赤外線用レンズの配置例をまず、調べてみましょう。調べるには下記の参考書が参考になるかと思いますが、弊社ではZEBASEのデーターを検索し、仕様に近いデータをZEMAXに持ってきます。
参考書
1)Modern Lens Design Warren J.Smith 著 McGraw−Hill出版 1992年7月
2)Modern Lens Design Warren J.Smith 著 McGraw−Hill出版 2004年9月
3)Lens Design Milton Laikin 著 Marcel Dekker出版 2001年3月
4)ZEBASE V5.0 ZEMAX Co,Ltd
これらの参考書の中から、自分で気になるレンズを持ってきます。例えば、ZEBASEの中のT022ファイルがそれに該当します。
◆How to design ◆ Step 2
T022ファイルのレンズデーターは以下の通りです。
焦点距離をスケーリングし、100mmから56mmに変更します。
G1,G2,G3は全て赤外線用材料で構成されています。
各レンズの焦点距離に近いカタログレンズを配置するために、先程のDIAS社製infrared用レンズカタログには67種類あり、これに近いレンズを探して見ます。
各レンズ群毎にレンズデーターを入力し、収差のバランスをみながら一番大きく収差が変動するレンズ群を確認します。その後、大きく収差が変動するレンズ群は、曲率半径、肉厚、及び空気間隔をフリーにして、最適化を行います。
最適化後の結果は下記のようになりました。
但し、元々のレンズでの材料構成では、シリコン、ゲルマニウム、シリコンの構成が、今回の構成は、シリコン、シリコン、ゲルマニウムという構成になりました。カタログレンズでの構成の場合、うまく、収差が補正できない場合は、新規にレンズを製造しないことを想定し、何とか準備できるレンズだけでまとめてみるという大胆な発想で設計されています。
レンズ形状は、こんな感じになります。
元々、新規にレンズを製造するには時間がかかってしまう。実験に間に合わない!!予算が足りない!!!という非常手段(ベンチャ企業様では当たり前かな?)という方法です。
今回使用したカタログレンズ赤外線用レンズの型番は、
G1;型番Part048 f58.12mm /G2 Part030 f-115mm /G3 Part043 f74.23mm の3種類です。
是非、みなさんもトライしてみてください。(最適化のところは、秘密です。)
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